病院の大浴場で骨の癌の女性 入院中の出会い

出会い 多発性硬化症の診断までの出来事

1ヶ月間入院していた際に、
私は今まで知らなかった世界を
沢山知る事ができました。

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私が入院していた病院は
かなり大きな病院で、
1000床近くベッド数があり
遠方からかなりの人がこの病院を頼って
入院していたため、
変わった病気の人や
かなり症状が重い人ばかりでした。


今まで入院をしたことがない
健康だけが取り柄の私は、
すごいな ドラマみたいだなと、
病院のすごさに感動し、
院内を散策していました。


大浴場もあったのですが、
場所がすごくわかりにくく、
お風呂セットを持った注射の跡だらけの
アホ面の私は、
間違えて霊安室にたどり着いたり、
医師の研究センターに行ってしまい、
白衣の賢そうな団体に冷たい視線を
浴びせられたりと、
相変わらず失敗していました。


お風呂は入院中の密かな楽しみでした。


体温が上昇すると悪化する病気なのに
お風呂やサウナが大好きなのです。


そこで、毎日のように会う人がいました。
彼女も私の事が気になっていたそうです。


気がつかなかったのですが、
彼女は隣の6床室の病室の患者でした。
そして、彼女のほうから話かけてきました。
体は痩せていて手術の跡だらけでした。


入院患者
入院患者

「前から気になっていたのだけど、
あなたは何の病気なの?」


私は自分の病気について説明をしました。
年齢は偶然同じ年でした。

彼女の病気を聞くと骨の癌で、
すごく珍しいタイプの癌なので、
地元の病院では治療ができず、
この病院にきたそうです


癌が骨のいろいろな場所に出来てしまい、
手術を何度もしてきたそうです。

神経内科の患者さんは、
ほとんどが車椅子や杖、
歩行器を使用しており、
リハビリも必要な為に
神経内科とリハビリの科は
病棟が一緒になっていました。

彼女の話を聞いてびっくりしたのが
病棟によって消灯時間や
談話室の利用時間等が違った事です。


私の病棟は消灯時間が9時迄でしたが、
癌の病棟は抗がん剤で眠れない人が多く
談話室は12時まで利用可能。
電気を消していれば、
起きていても怒られない。


整形外科はかなり厳しく、
必ず9時消灯。
ベッドの中でスマホを操作していても
怒られる。
しかもみんなナースコールを
押しまくるのでうるさくて眠れないし、
患者が元気でうるさすぎる。


ちなみに、私の病棟は、
談話室は10時まで利用可能でしたが
皆寝てました。
彼女はスタスタ歩いている私を見て、
あの人普通に歩いているけれど、
何の病気なんだろうね?と、
病室で話題になっていると言われました。
歩いているだけで
話題になるくらい
脳神経内科の入院患者は
歩けない人が多かったのです。

彼女には二人小さな子供がいましたが、
1年近く入院していたため、
子供と一緒に過ごせなかった。
こんな事になるなら
下の子供を生まなきゃ良かった。


この病気は10年間様子を見ないと、
再発の恐れがある。
10年なんて長すぎる


と言いました。

それを聞いた私は、
子供が欲しくても、
彼氏選びをしくじりまくり
結局間に合わなかった事


私の病気は一生治らないから、
一生涯通院して、
様子を見なくてはいけない事を
お話ししました。


すると、彼女は
少し嬉しそうな表情をしました。


私の不幸話で元気になってくれてよかった。


それくらいしかできることないから。

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